
高校生の娘・息子の様子がなにかおかしいと感じたときは、放置すると深刻な問題に発展するリスクがあるため、適切に対処することが大切です。しかし、子どもが高校生になると親子の会話が減るケースも多いため、「親として、どのように対応すれば良いのかわからない」と不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、高校生の子どもの気になる変化、様子がおかしい子どもを放置した場合のリスク、適切な対処法などについて解説します。
1.高校生の子どもの気になる変化
思春期の高校生は、心身ともに大きく変化する時期なので、以前と様子が変わるのは自然なことです。しかし、以下のような変化がみられた場合は注意が必要です。
(1)何を聞いても答えなくなった
以前は、学校での出来事などを楽しそうに話していたのに、急に何を聞いても返事が曖昧になったり、家族との会話を避けるようになったりした場合、深刻な悩みを抱えている可能性があります。親に話すことをためらう理由があり、心を閉ざしているのかもしれません。また、親に迷惑をかけないために、自分で解決しようとする気持ちが影響している可能性も考えられます。
しかし、高校生はまだ成長過程にある子どもです。大人が関与しないと解決できない悩みを抱えている可能性もあるので、まずは子どもが安心して話せる環境を整えることを意識しましょう。
(2)自分の部屋にこもりがちになった
以前よりも自分の部屋で過ごす時間が長くなり、家族との交流を避けるようになった場合も、深刻な悩みを抱えている可能性があります。自分の部屋にこもりがちになると、SNSやオンラインゲームなどに没頭し、それらを通じて危険な人物と接触するリスクもあります。近年、未成年者が、SNSやオンラインゲームで知り合った人を通じてトラブルに巻き込まれるケースが急増しているため注意が必要です。
高校生は社会経験が少ないため、SNSなどで知り合った相手の言葉を容易に信じてしまうことは珍しくありません。実際、SNSで知り合った相手と会って性犯罪の被害に遭うケースや、アルバイトや投資などの誘いを受けて騙されるケースなども報告されています。
(3)食欲がなくなった
食べ盛りのはずの高校生の子どもの食欲がなくなり、食事を残すようになった場合も注意が必要な状況といえます。食欲不振は、ストレスや精神的負担が大きく影響する症状です。学校生活のストレス、人間関係のトラブル、心理的なプレッシャーなどが要因となり、食欲が減退することは少なくありません。また、食欲不振が摂食障害の初期兆候である可能性も考えられます。
栄養バランスが崩れると健康面にも深刻な影響が生じます。高校生は成長期であり、適切な栄養摂取が必要です。食欲不振の状態が続けば、体力や集中力が低下し、学業や運動能力にも悪影響が及ぶでしょう。
2.高校生の子どもの様子がおかしい理由
高校生の子どもの様子がおかしい理由として、主に以下のようなことが考えられます。
(1)失恋した
高校生にとって失恋は大きなショックです。失恋後は、感情の揺れが大きく、落ち込みや不安定な行動がみられることがあるでしょう。特に初めての恋愛や深い感情を抱いていた場合、その喪失感は計り知れません。自分自身が否定されたような気持ちになり、自信を失うことや、何事にも興味を持てなくなることもあります。家族や友人にも話せず、一人で悩み、心を閉ざしてしまうことも少なくありません。
様子がおかしい理由が失恋であれば、時間が解決してくれることも多いので、適度な距離感を保ちつつ見守ってあげるとよいでしょう。
(2)学校でいじめの被害に遭っている
いじめは、高校生の子どものメンタルヘルスを大きく損なう深刻な問題です。被害者は自己肯定感を失い、日常生活にも強い恐怖を感じるようになります。学校に行きたがらない、食欲不振などの変化を伴うことが多いです。
文部科学省が公表した2023年度の資料によると、全国の学校で認知されたいじめの件数は73万2568件、いじめによる自殺や不登校などの「重大事態」と認定された件数は1306件と、いずれも過去最多を更新しました。
子どもは、親に心配をかけたくないという気持ちから、いじめの事実を隠すことが多いですが、親が早めに気づき、専門家に相談しながら適切に対処することが重要です。
参考:2023年度(令和5年度)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査
(3)性被害に遭った
近年、高校生がパパ活をしたり、違法な性風俗店で働いたりして、本人が望まない性行為や薬物使用などを強要される事件が多発しています。性被害の被害者は、自己嫌悪、羞恥心、強い不安や恐怖などの精神的なダメージを負う可能性があります。また、性被害の経験が、重大なトラウマとなり、その後の人生を大きく狂わせるリスクもあります。
親が早い段階で子どもの異変に気付き、適切な専門家につなぐことが、子どもの未来を守ることにつながります。
3.様子がおかしい高校生の子どもを放置するリスク
子どもの様子がおかしいと不安に感じながらも、どのように対処すればよいかわからず、放置してしまうこともあるでしょう。また、「思春期だから仕方ない」と思って、様子を見ようと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、子どもの異変を感じながらも放置すると、以下のような取り返しのつかない事態を招くことがあります。
(1)いじめがエスカレートする
高校生の子どもがいじめの被害に遭っている場合、放置するといじめがエスカレートし、身体的・精神的な被害が拡大する危険性があります。いじめがエスカレートすると、被害者は自尊心を失い、精神的に追い詰められます。登校拒否や引きこもり、不登校につながることも少なくありません。
また、いじめを受け続けると、重度のうつ病や不安障害、自傷行為や自殺願望など、より深刻な精神疾患を引き起こすリスクもあります。
(2)精神的に大きなダメージを負う
高校生の子どもが抱える悩みやストレスを放置すると、不安障害やうつ病などの精神疾患を発症する可能性があります。思春期はホルモンバランスの乱れや情緒の不安定さが強く、問題を抱えることで過度なストレスが蓄積されやすいです。精神疾患は発症すると完治まで時間を要し、学業や日常生活にも著しい影響を与えます。
精神的なダメージが大きい場合は、自傷行為や摂食障害などの深刻な問題に発展するケースもあり、最悪の場合、生命の危機に至る可能性も否定できません。
(3)犯罪に巻き込まれる
高校生の子どもが抱える悩みやストレスを放置すると、SNSやオンラインゲームなどを介して知り合った人物と接触し、犯罪に巻き込まれるリスクがあります。悩みやストレスが大きくなると無意識のうちに現実逃避しようとして、SNSやオンラインゲームなどで外の世界と接触するケースが多いからです。特に精神的に不安定な状態では、判断力や自己防衛力が低下し、悪質な誘いや詐欺、性的搾取、暴力などの被害に遭いやすくなります。
最近は、判断力の低い若年層を狙う犯罪組織が増加し、高校生が闇バイトに応募して、犯罪に関与するケースも少なくありません。闇バイトに応募して、特殊詐欺や薬物の運送などの犯罪に関与した場合、実行犯として逮捕され、その後の人生が大きく狂う事態に発展するおそれもあります。
4.高校生の子どもの様子に異変を感じたときの適切な対処
高校生の子どもの様子に異変を感じたとき、親としてどのように対処すればよいのでしょうか。
(1)子どもが相談しやすい環境を作る
まずは、子どもが安心して相談できる雰囲気をつくることが大切です。子どもの様子がおかしいと感じたとき、心配のあまり、つい「何かあったの?」と聞いてしまいがちですが、親から心配されていることを察し、子どもが心を閉ざす可能性もあります。
子どもが相談しやすい雰囲気をつくるためには、日頃から居心地の良い家庭環境をつくり、子どもとの信頼関係を築くことが大切です。「今日の夕飯、ハンバーグでいい?」など、明るい会話を心がけ、子どもがリラックスできる雰囲気つくりを心がけましょう。子どもがなかなか話をしなくても、無理に聞き出そうとせず、「いつでも話したいときに話してね」というメッセージを伝えながら待つ姿勢を持つことも大切です。
(2)探偵の見守り調査を活用する
子どもが話をしてくれない場合、探偵の見守り調査を活用するという方法もあります。プロの探偵は、尾行や張り込みにより、子どもの行動を調査し、交友関係などを詳しく調査することが可能です。これにより、親が知らない間に子どもが抱えている問題を詳しく知ることができます。
探偵から提供される調査報告書には写真とそのときの様子が時系列で記載されているので、親子で事実を共有し、建設的に解決策を話し合う際に役立ちます。
子どもが、いじめの被害に遭っている、SNSで知り合った人から脅されているなど、重大な事実が明らかになった場合、適切な専門家からアドバイスを受けることも可能です。また、子どもが大きな精神的ダメージを負っている場合は、専門のカウンセラーを紹介してもらえます。
まとめ
この記事では、高校生の子どもの気になる変化、様子がおかしい子どもを放置した場合のリスク、適切な対処法などについて解説しました。
近年、SNSやオンラインゲームの急速な普及に伴い、人生経験の少ない高校生が危険な人物と知り合い、重大なトラブルに巻き込まれるケースが増えています。子どもの些細な変化の背景には、重大な問題が潜んでいるかもしれません。子どもが重大な問題を抱えていた場合でも、早期に気づいて適切に対処することで、大きなトラブルに発展することを防げる可能性があります。重要なのは、子どもを疑うのではなく、親として見守るという視点を持つことです。
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